日本公演の際に、日本のショップがリッチーの為にスキャロップ加工をしたストラトを準備。
リッチーはそのスキャロップを担当した人を呼び、指先のマメをチェック。
きちんと手掘りした事を確認したそうだ。(友人がその本人から聞いた話)
今回、それに倣って加工したスキャロップはこんな感じだ。
実際に掘ってみると、その深さに驚く。いつまで掘っても同じ雰囲気には到達しない。
最初の荒削りは道具を使わせてもらったが、確かにオール紙やすりではマメができるであろう。
道具を使ったとしてもとても時間のかかってしまう作業であった。
さて、その効果は!
最後の写真、6弦と指板との間隔を見て頂ければ、高すぎるほど間隔がある事が判る。
確かに弦の掴みも良く、ヴィブラートもチョーキングもやりやすい。12Fの弦高が1.2oにもかかわらずだ。
では、30年の懸念事項、垂直方向のヴィブラートはどうだろう?
リッチーの弦はスプリングキャビティ脇に書かれたゲージ表示によると
10-11-13-24-36-46
と、2弦と3弦が異様に細く、他はおおよそ10-46に則っている。
その細い2弦と3弦は確かに垂直方向にヴィブラートがかかる。というか、押弦の力加減で
ピッチが不安定になってとても使いにくい。このギターを使いこなしている
リッチーは、
凄く柔らかいタッチで弦を押さえている事が簡単に想像が付く。
つまり、その押弦力の調整でヴィブラートが掛けられることは確かだ。
が、その解答には違和感がある。
垂直ヴィブラートはローフレットでは掛けられるが大した量では無い。ハイフレットは無効に近い。
しかも、これだけ弦をガッツリ掴めるセッティングで左右方向のヴィブラートがガンガンかけられるのに
垂直方向のヴィブラートを果たして使うだろうか?正直、そんな必要は無いと思う。
だから、
垂直方向ヴィブラート説は、当時まだスキャロップが手に入らない時期で、
記者が一生懸命その理由を想像して書いたものだと思う。
これで長年の疑問はスッキリした。30年前に感じていた事はやはり正しかった。
それだけでもこのギターを作った甲斐があった。
それでいい♪