Scallppの語源そのものはホタテガイ。
貝で削り取った様な、と言う意味でスキャロップと言われたかと想像します。
そのスキャロップ指板自体はリッチーが考えたものではなく、古く南インドにて発祥。
ベトナムギターと呼ばれる物も深くスキャロップされています。
さて、
1980年頃だったろうか、YAMAHAがSCというモデルを使い、スキャロップ加工をし、リッチーに使ってもらうと言う企画がある
と書かれた紹介カタログを持っていた。今は紛失してしまったが、そのカタログでは、スキャロップの掘方について語っており、
●一番深い部分がブリッジ側寄り(インギーはフレット間センター)
●6弦よりも1弦を深くしている、
●リッチーは手作業で紙やすりで削った物しか許さない
と、掘り方図や説明が掲載されていて、今でも記憶している。
30年近く前、実際にネック1本を犠牲にしてその通りに作った事があるが、
「スキャロップの効果は指板に押し付ける側のビブラートが深くかけられる」
と書かれていた記事を試した所、実際にはその効果は思ったほど得られず、一気に失望した。
今考えれば、どちらかと言うと、
低い弦高でもしっかり指先が弦を掴み、ヴィブラートやチョーキングがかけやすい。
そちらが狙いだと思われる。(リッチーのギターテク、ドーク氏も同様のコメントを残している)
当初、リッチー本人が100番の紙やすりでゴリゴリと削っていたそうだ。
その超粗い仕上がりを見たドーク氏が、私に綺麗に仕上げさせてくれないかと打診。
リッチー本人は、インギーモデル同様フレット間センターを掘っていたが、
ドーク氏によるスキャロップは上記3ポイントを守ったスタイルに変更した。
それを気に入ったリッチーは、以降、ドーク氏にスキャロップを任せる事になった様だ。