Ritche Blackmore's 74Strato Potrentiometer

たかがポットに本気になってしまった・・・・



引き金になったのはこの写真。
'74の白いストラトではないが、同じドーク氏の改造が
施されているはずだ。
拡大して画像処理してみた。
ボリュームポットは四角、

トーンの2個はCTSで間違い無いだろう。
四角いポットには2つのメーカーが思い浮かぶ。
BOURNS社(以降、B社)と、Allen Bradley社(以降AB社)だ。

B社は今も現役でポットを作っており、EVHのローフリクションポットや、インギー用ポットでも有名。
https://www.bourns.com/data/global/pdfs/pda24.pdf

AB社は現在Rockwell社に吸収され、センサー系でのみ生き残っている。つまり、新品でAB社のポットを買う事はできない。

では、リッチーはどちらを使っているのか?
正確な結論はもっと精密な写真を入手しなければ判別できないが、今ある資料から判断してみたいと思う。
B社とAB社を比較してみた。
それぞれ底面にBもしくはABのロゴが掘り込まれている。
(Bはセンターにうっすら・・・)

ここでの違い、

●蓋の固定がB:リベット、AB:マイナスビス
●Bの方が写真の縦方向に長い。但しABの白い部分を足すと一緒
●端子の向きがB:横向き、AB:縦向き

特に端子の向きと白い樹脂が確認できる写真があれば
BなのかABなのかは意外と簡単に判別できる。
横からの比較。
●左のBに比べ、右のABは長い。
●Bが底蓋だけに対し、ABは底蓋と上蓋でサンドしている。
●ABにローレットが入っているが、実際にはノブに効かない
●固定のネジ切り部分がBは真鍮、ABは樹脂。

実際にシャフトが長いので、ストラトノブに取り付ける際には
シャフトを2oほど短く切らなければならない。
横幅は同じ寸法だ。B社はスペック表によると15.88o
だから、寸法を割り出してどちらの会社かを判断する事はできない。
左のCTS社のシャフトに対して右のAB社のそれは長い。
写真ではシャフトを切り始めてできた窪みができているが、
この程度切らないとノブの収まりが悪い。
さてここでB社かAB社かを別アプローチで解明。

ブラックモアストラトはピックアップがシェクターのF500とされている。
(現行のFenderブラックモアモデルはダンカンSSL-4であり、
シェクターF500の後継モデル、モンスタートーンではない)

この初期シェクターはピックガードとアッセンブリーで販売されており、
その象徴が左のジェフベックが使ったストラトだ。
そう、来日時に使っていたミニトグルスイッチ3個がついた奴。

この頃のシェクターの標準採用がAB社のポットであった。
間もなくCTSに変更されてしまったので、実際にF500+AB社ポットが
組み合わされた物は少ないが、逆にB社のポットは採用されていない
ので、シェクター+B社の(個人改造を除く)存在は皆無だろう。

セット販売されていたPU一式を移植する際、ポットだけセットで
移植された可能性は否めない。

今時点の判る範囲ではAB社のポットが使われていたと私は判断する。
ただ、先に述べた通りAB社は存在せず、新品で流通していない為、入手はかなり困難だ。
散々リペア等してきたが、シェクターのPUにもAB社のポットにも出合ったことが無い。
外から見える所でもないし、メーカー名宣言をしていない限りどのギターに採用されているかも判らない。
故に、
今でも現行商品として手に入る、Bourns社を選択せざるを得ないだろう。

スペックは
こちら
250kΩは、95A1D-Z28-EA0/300L
500kΩは、95A1D-Z28-EA0/302L

参考に、
EVHローフリクションポットは、PDA241-SRT00-504-A2 (500k-A)、250kならPDA241-SRT00-254-A2
EVHハイフリクションポットは、PDA241-HRT00-504-A2 (500k-A)、250kならPDA241-HRT00-254-A2