光るギター! Lightshow 

リッケンバッカー、モデル331Lightshow、通称リッケンバッカーネオン
1970〜75年あたりで製造され、財津和夫氏が40周年のステージで使ったらしい。

ほとんど日本では販売されなかった様で、流通している中古も百数十万以上するらしい。
なんとかレプリカできないかと相談を受け
今どきのパーツを使い、さらに使いやすくバージョンアップして作成してみた!
なお、リッケンバッカー持込で
この改造をオーダーされる場合、4〜5万で請けたいと思います

  
オリジナルLightshow、ピッキングに合わせてボディに仕込んだ電球が光るギター。


オリジナルはピッキングしたとき、低音弦で青系、高音弦で赤系の豆電球が光る様だ。

(IKEBE楽器さんのHPより)

普通に考えると、

豆電球では耐久性が低く、実際に6弦側ウイングが点灯しないYoutube画像もある。
今どきのパーツで再設計をしてみた。

低信頼性の豆電球・11個  高輝度LED・35個
入手困難なパール柄アクリル  光が綺麗に拡散するダイヤカット
別電源ユニット  LED化の恩恵で9V電池内臓
低音弦高音弦で色を変える  ピッキングの強さで色を変え、広がる演出

回路は、ジャックから信号を分岐し、
ブースター → VU回路(いわゆるレベルメーター) → スイッチングトランジスタ → 高輝度LED
の順に構成する。
ブースターは4558オペアンプを使った、ピッキング感度調整に使用する。
エフェクターの神様に回路図を教えて頂いたが、このブースター、エフェクターとしても
とても音が良い。レベル調整には正直もったいない!
VUはキット販売している5素子タイプ、ただ、そのままでは高輝度LEDの電流に耐えないので
トランジスタでスイッチング。トランジスタ以降はオリジナル回路。

ベースとなるギターは331とほぼ同形状の330
ホローボディなのでくり抜いて回路を組み、テールピース位置のボディバックに
穴をあけ、9V電池のボックスを2つ仕込み蓋を装着

おおよそそんな構成だ。

  ボディくり抜きの前に、サイドウォールがどこまであるのか確認し、
マスキングテープ上でマーキング。
くり抜き範囲を決定したら、2mmドリルでミシン目を入れる
ミシン目の拡大。
なんだかんだ言って、大掛かりな工作機械が無いのであれば
多分この方法が一番早いと思う。
くり抜き完了
回路を作成、動作確認をする。
左のグリーン基板がVU回路、
右のICがオペアンプ、中間に5つあるのがスイッチング用の
トランジスタ。
下の青、白、緑、黄色、赤、のケーブルがLEDに伸びる。

なお、LEDはピッキングの強さに比例し、
青→青→緑→黄色→赤
の順に点灯する。
基板裏面。
ユニバーサル基板のランドが小さくあてにならないので
部品リードを直接ハンダでつなぎ、場所固定として基板の
ランドを使う。
振動や落下衝撃でランドが剥がれても、回路自体は断裂
しない信頼性重視の方法だ。
また、基板内をジャンパーさせるワイヤーも一切使っていない。
基板をボディに固定。こちらは6弦側ウイング
こちらは1弦側ウイング。
コントロールに近いので、こちらにブースターが付く。
LEDを固定するMDF板。3ミリ厚。
LEDが外れない様、LED直後のワイヤーはMDF板に縛り付ける。
なお、色配置が変更可能なようにLEDワイヤーはどこでも届く
様にしている。
強いて欠点を言うと、LEDワイヤーが太くて取り回ししにくい。
ここは1ランク太さを落としても良かった。

いかに大変な配線だったのかを伝えたかった。
MDF板は表面にアルミホイルを貼り、
あえて光の拡散を助ける様にシワを付けている。
小さなポットが見えているが、これがブースターのゲイン調整。
つまり、LEDの感度を調整するためのポットだ
こちらが全点灯状態。
ピッキングの強さに応じ、光が中心から外に広がる!

オリジナルのアクリル固定はビスが少ない。
熱を発する電球の真上にあるアクリルで変形を心配していない
のが不思議だ
こちらはLEDではあるが、衝撃に弱いアクリルを助けるため
固定箇所を増やしている

なお、
この撮影後にライトショーの電源スイッチ横に
電源インジケータを追加した。