PICKGUARD
Broadcasterのピックガード、54年までのテレキャスターを含め、フェノール樹脂による1.5mm厚の黒
という話はそこそこ知られていると思う。
ここではさらに突っ込んだ内容を盛り込んで行きたい。

Broadcaster〜54Telecasterのいわゆるブラックガード時代、
前述の通り、黒くて薄いピックガードが使われている。
詳細は以下の通りである。恐らく初めて知る内容もあるのではないだろうか?
(参考文献:The Blackguard)
厚み 1/16インチ=1.5875mm。通称1.5mmと言われているが若干厚い
黒。但し、ごく初期のEsquire時代には黒ボディ+白ピックガードの物がある!
材質 主にフェノライトシート。現状で近い材質は紙フェノールと思う。
塗装のエッジから茶色のフェノライトシートが顔を見せている写真がある。
元々電子機器メーカーのレオフェンダーなので、プリント基板に使われた紙フェノール
材を黒く塗って使用したと思われる。
製作
工程
@バンドソーでラフカット
A形に成型
B穴あけと皿もみ
Cサンディング
Dラッカー塗装(クリアの場合と黒の場合がある)
E仕上げ研ぎ
F磨き
裏面に5インチの丸い未塗装がある。おそらく、5インチの丸い台に置いて塗装をした跡
と思われる

さらに、等身大ポスターを作製して判った事がある。


現行販売されている、いわゆるヴィンテージテレキャスター用のピックガードを当ててみる。
外形はほぼ同一であるが、致命的な箇所に違いがある!

なんと、ネックの仕込み位置とピックアップが3mm近く違う!
間違いかと思い、現行テレキャスターや出来る限りの54年以前の物とを比較したが、確かに違う。
何が影響するか!
ブリッジの位置が同じでネックの仕込み位置が遠くなった。
→ブリッジの駒が3mm程度ネック寄りになる
→駒からストリングホールが遠くなる
→テンションが緩くなる→音がゆるめになる!

つまり、現行のヴィンテージテレキャスターはいくらカスタムショップがリアルに作っていても
大事な音の要素を再現していないことになる!これって大発見じゃない??

プリント基板用紙フェノール材。200×250mm、1.6mm厚
松下製です。

ちなみに

表面のNマークはナショナルのNで、
Nが読める方向が反りに強い方向を表す
と、昔教わったと思いましたが、よく覚えていません。
裏面はプリント基板なので銅箔でビッシリ。
当然ですなww
でも銅箔はちょっとコツを知るとペロペロっと剥げます。
力は必要ですが、面白いように剥げる。
剥げました。
この銅箔はシールド等に使えそうなので取っておきます。

ちなみに銅の厚さは業界標準の35μ。
0.035mmです。
なので残った板厚は1.565mm
既存のピックガードを当てて線を引くと
こんな感じです。ただ、

●ネックジョイント位置
●フロントPU位置
●ネックポケットの右のトンガリ

は補正が必要。