リネンフェノール素材の研究

フランケンのフロントピックアップに使われている
リネンフェノール素材をどうしたら手に入れられるのか!

フランケンパーツの中でも入手困難なのが赤いフロントピックアップである。
フランケンレプリカでもフロントPUは赤く塗っただけの物が存在するのがその証拠。
本物のピックアップはあきらめても、素材があれば作る事ができる。
ここではその素材である
「リネンフェノールとは何か?」を突き止める

まずはこの困難を極める、リネンフェノール素材について調べてみた。




まず、リネンフェノールとは何か?

直訳するとリネン(Linen)は亜麻繊維。フェノール(Phenol)は水酸基が結合した化合物。

そんなリネンフェノールとソックリな物が存在する。
電子機器をバラすと必ず現れるプリント基板。
その中でも、主に緑色で丈夫そうなでガラスエポキシという素材がある。
両面にチップ部品を搭載する基板は、ほぼこのガラスエポキシ基板となる。
ガラスエポキシ基板は、文字通りガラス繊維を格子状に編み上げ、
エポキシ樹脂で固めた材料である。

だからリネンフェノールという言葉をガラスエポキシと同じ命名ルールに則って解釈すると
麻の繊維をフェノール樹脂で固めた素材と言うことになる。


次にフェノール樹脂を調べる。

Wikipediaによると、
”フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、ベークライト、石炭酸樹脂”
とされている。そう、ベークライトである。
「フェノール」だけで調べても石炭酸と出るだけで何のヒントにもならない。
そう、「フェノール樹脂」という言葉にたどり着いたお陰で先に進む事ができるのである。

プリント基板の素材は前述しているが、プリント基板でベークライト素材がやはり存在する。
片面だけに銅箔を貼り付けた、いわゆる一般的な紙基板である。
ローコストな基板材である為、安い電気製品の蓋を開けると簡単にお目にかかる事ができる。

これは通常、紙ベーク基板とは呼ばれず、紙フェノール基板と呼ばれる
ここでもキーワードであるフェノール樹脂という言葉とベークライトという言葉が結びつくわけである。

そう、フェノール樹脂=ベークライトなのである!


一歩進んでベークライト素材を調べる


ベークライト素材には紙製と布製がある。紙ベーク(紙フェノール)と
布ベークである。

そう、ここで布ベークというゴールにたどり着く事ができた。
布ベークの素材は工場で治具用材料として使われる事が多い。
ここで以下の仮説をすると、全ての矛盾が晴れる。

仮説:日本で言う「布ベーク」は英語圏では"Linen-Phenol"と呼ばれている
=”Linen-Phenol”と言われたら本当は「布ベーク」と訳さなければならなかった!


フランケンについてのインタビュー等で、英語でLinen-Phenolと言われても工業用専門用語の為
翻訳する人が(工業知識がなければ)そのままカタカナでリネンフェノールと訳すしかない。
だから皆はリネンフェノールを一生懸命探しているために、いつまでたってもゴールにはたどり着けない。
この堂々巡りを打破するキーワードが布ベークなのである。

布ベークで調べていくと簡単に見つけられ、今でもちゃんと作られている。
なんの変哲も無い、ごくありふれた一般材料であるからだ。


←こんな感じで使われている

最初から布ベークと訳されていたらフランケン作りで苦労している人々がいかに簡単に
救えたのであろうか・・・専門用語の翻訳とは難しいのであろう・・・ここは誰も責めてはいけない。

最後に布ベークの入手方法だ。
私が調べる限り、そのネット通販で気軽に買える最も薄い布ベーク素材が
「リネンマイカルタ」である。
ナイフ用グリップ素材として扱われているので調べてみてほしい。

←リネンマイカルタ